第二部
座談会(二)
知世 はい、無事にまたお会いできましたね。今回も読んでくださいまして、どうもありがとうございました。
玲 前作を読んでいないというひとは、まさかいないだろうな。
季耶 おどしてどうするんですか。
知世 前作からあまり進んでないけど、作者の計画はどうなってるんだろう。
季耶 がんばってほしいですよね。うわあ、今から楽しみだなあ。
玲 やけに媚びてないか。
季耶 前にこのコーナーで師匠ってば、作者のことをけちょんけちょんにけなしませんでした? 今作品でおやつを抜かれてしまったのは、そのせいじゃないのかなあ。
知世 あ。本当だ。お前、作中でおやつ食べてない。
玲 偶然じゃないのか。
季耶 座談会用のお茶菓子もここに届いてないんですよ。作者から差し入れがあるはずなのに。
知世 連帯責任ってこと?
玲 それはあまりに心がせまいぞ。
知世 フォローせんかい。
季耶 おお、今回はサブタイトルをしっかり自分で考えてる。すごーい。
玲 わざとらしいぞ。
知世 あれ、瑞樹君。そこにあるのは? 急須と湯呑みと栗むしようかん?
瑞樹 さしいれ。
季耶 ああよかった。ここでの会話が作品の内容に反映するなんて、杞憂ですよね。
知世 ひと安心したところで、本題に入ろうか。これから、どういう展開になるんだろ。
季耶 次は夏の話かな。
玲 演劇発表会だな。
季耶 くわえて、続々と解明されるあの謎、この謎。
知世 あったっけ、謎なんて。
季耶 今回、森川先輩はなぜ髪と瞳が茶色いのか、あきらかになりましたよね。イギリス人の血が八分の一ですか。
玲 家族の話題が多かったな。
知世 この話は家族もの? 学園ものじゃないの?
季耶 学校、あまり出てきませんからね。
玲 登場人物は高校生が多いくせにな。
季耶 いっそ、ジャンルを一変させてみたらどうでしょう。せっかく、きれいどころが揃っているんですから。おまけにキャラクターも、お約束な度合いが高いし。美形の若者どうしの、脳みそがとろけるくらい濃厚で濃密でやんごとない仲。きっと女性に大うけですよ。
知世 それで滝沢君は、なぜに傍観者の態度さ。参加資格あると思うけど?
季耶 でなければ、森川先輩と伯母さんとの、めくるめく禁断の愛というのは?
知世 ぶはっ。
玲 ばっちいぞ。
季耶 おしぼりおしぼり。
(お見苦しい点があったことを深くお詫びいたします。しばらくお待ちください)
知世 ……ええ、こほん。大変失礼しました。気を取り直して次回の予告をどうぞ。
季耶 卑劣きわまりない罠にはまり、ついに敵の手に落ちた森川知世。監禁され、夜な夜な責めさいなまれ、もてあそばれるいたいけな体。鞭やロープが食いこむ白い肌。救出に向かった春日玲が見たものは、薬と快楽と官能に耽溺し、変わり果てた知世の姿だった。この試練を、ふたりの愛の絆は乗り切れるのか? 風雲急を告げる「総天然色桜少年」。次回作をお見逃しなく。
玲 どこにあった、こんな血迷った恥ずかしい原稿は。公序良俗にもとっているのは本編だけでたくさんだ。
知世 誰も真に受けないと信じたい(赤面)。
季耶 え? この予告でたらめなんですか? ちぇっ、残念。
知世 え。えーと。冗談はさておき。次の作品でお目にかかりましょう。
季耶 どうぞお楽しみに。
玲 乞うご期待。
瑞樹 Coming soon !